「あ、栞さぁ今、信じられない…

とか思ったでしょ?」


「…ッ!?」


いきなり話を振られて


怖くて何も言えないあたし。



「これが本当の俺。

人は変わるんだよ?

あの頃とは違う。」


あたし達に近付きながら


あたしに向かって言う。



そして、あたしの前まで来て、しゃがみ


あたしの頬に手を滑らせた。


ビクッ…


あたしは怖くて身を縮めた。



「栞。好きだよ。」


大チャンは耳元で囁いた。



「あたしは…好きじゃない。

こんな大チャン、好きじゃない。」


怖くて震える声を、頑張って出した。



「やっぱり?」


大チャンは、そう言いながら


あたしの頬から手を離し


立ち上がって言った。