大チャンが…
あの優しかった大チャンが…
怖い…
「佐藤クン、そんなことのために
栞をこんな目に合わせたの!?」
奈緒が大チャンに向かって叫んだ。
こんなに怒る奈緒は、初めてだった。
「そんなこと?
俺からしたら重要な事だね。」
あたし達を、嘲笑うかのように言う大チャン。
「じゃぁ、栞チャンを襲ったのも?」
光輝クンも、今までにないくらい怖い顔で
大チャンを睨み付ける。
そんな光輝クンにも動じず
冷静に返す大チャン。
「それは違うよ。
ある人から借りただけ。
俺はあくまで、いい人の役ですから。」