ヒモで強く縛られた手足。


所々破れている汚れた制服。



…なんで?




優哉はあたしを縛るヒモを解き


もう一度、あたしを強く抱き締めた。


今度は、あたしも強く抱き締め返す。




「…ッ。」


いつもの優哉の香りに安心して


優哉達に会えたことに安心して


あたしの目から涙が零れてきた。



奈緒はその涙に気づいたのか


「栞。泣いていいんだよ。

怖かったよね…?

もう安心して。」



その一言にポロポロと流れる


大粒の涙。



「ふッ…ふぇ…」


怖かった。


スゴい怖かった。


怖かった分、安心した。