『夜になったら、
いつでも会いに行くよ』
二人の想いを確かめあった日、
俺は彼女にそう言った。
彼女の家は果樹園を営んでいるらしく、
彼女の家のすぐそばで毎日俺たちは落ち合うようになった。
あの日、
洋館に帰ると海さんだけしかいなかった。
「玲さんは?」
俺がそう尋ねると、
海さんは興味のなさそうに答えた。
「人間の女のところよ」
そう、あっさりと言い放った。
俺は正直驚いて、もう一度海さんに聞き返した。
「玲さんが、人間の女のところに?」
すると、勘違いしないで、と言うような口調の海さんの台詞が返ってきた。
「玲が人間の女に惚れているわけじゃないわ。
……獲物のためよ」