「雪?ちょっと出掛けよ?」


「………」



私は俯いたまま何も返事をしなかった。



「聖夜と紗雪のことは心配ないから、ゆっくりしておいで」


「お義母さん、すいませんが宜しくお願いします」


「いいのよ。明日まで仕事は休みだし」


「すいません…。雪?行こ?」



そう言って階段を下りる悠翔さんの後を無言で着いて行った。



「雪?着替えて来るから、先に車に乗ってて」



悠翔さんはそう言って、私にキーケースを差し出した。



「……うん」



小さく頷いて、キーケースを受け取ると、靴を履いて外に出た。