また誰かが階段を上がってくる音がした。
足音は桜の部屋の前で止まった。
「雪?」
お母さんだ…。
なかなか下りてこない私と悠翔さんを心配したのかな?
「雪?部屋から出て来なさい」
「いや…」
「いつまでもここにいたら桜が寝れないでしょ?聖夜と紗雪を見ててあげるから、部屋から出て2人でちゃんと話し合いなさい」
だから何を話し合うの?
離婚の話?
それとも昨日の女性のこと?
でも私がいつまでもここにいたら桜に迷惑がかかっちゃう。
私は立ち上がり、部屋を出た。
そこには心配そうな顔をしたお母さんと悠翔さんがいた。
5日振りに見る悠翔さん。
なぜか私の胸は更に高鳴っていた。