「雪?開けて?」


「……やだ!」


「どうして?」


「ど、どうしても!」



涙があふれてきた。


下を向くと、膝の上にポタポタと落ちていく涙。



「雪?昨日のこと……気にしてんの?」



やだ…。


やだ……。


聞きたくない!


私は手で耳を塞いだ。



「雪?頼むから開けて?」


「いや!」


「雪!」



悠翔さんが怒鳴るように言った。


体が一瞬"ビクッ"となる。



「雪?話し合おう」



話し合うって何を?


その時、私の頭に"離婚"の2文字が浮かんだ。