卒検は無事に終了した。


合格発表の時はドキドキしたけど、電光掲示板に自分の番号があった時には凄く嬉しかった。


あとは明後日、免許センターに行って学科をして合格したら免許がもらえる。


私は川辺先生に挨拶して教習所を出た。


駐車場に悠翔さんの車はなかった。


何時に終わるか伝えてあるから来ててもいいんだけどな。


どうしたんだろう…。



「雪ちゃ~ん!」



駐車場で待ってると、神谷先生が笑顔で走って来た。



「何でしょう?」



素っ気ない態度を取った。



「約束、覚えてる?」


「何か約束しましたっけ?」


「やだな。デートの約束だよ」


「私は約束した覚えはありませんが?」


「冷たいなぁ……。あの時、雪ちゃんは否定しなかったじゃん」



神谷先生がクスッと笑った。


あの時は、ハンコ押さないとか言うから……。



「あれは!」



その時、教習所の駐車場に見覚えのある車が入って来た。


悠翔さんだ!


スモークガラスで後ろはよく見えないけど、聖夜と紗雪も乗ってる。