あたしは、瀬川財閥があるお屋敷へと向かっていた


ピーンポーン


『はい』

『あたし菊地恵美といいます。旦那様いますか?』

『ちょっとお待ちを』

『はい』

ドキドキ


『どーぞ』




『旦那様、』

『君は、下がりなさい』

『あのー・・・・』

『君が菊地恵美さん?』

『はい、』

『母さんによく似ているな』

『あなたは、あたしの・・・』

『違うよ』

『え!』

『僕は、君の父親ではない』

『え・・・・』

『君の親は、君のお母さんと僕の弟とだ』

『お母さん?』

『ああ、君のお母さんと弟の間に産まれたのが恵美ちゃん、君だよ』

『え、あ、はい』

『弟は、今病院にいる』

『病院ですか?』

『ああ、末期のガンなんだ』

『え、』

『・・・・・』

『すいません、あたし帰ります』

『また来なさい』

『はい』