…気がつくと私はまた一人で森の中にいた。男はもちろんのこと、ちさの姿も見当たらない。

「助けて…くれたのかな。」

まだ、ちさが何を考えているのかわからない私は素直に味方だと受け取ることは出来なかった。

「なんか…物語が中途半端とかなんとか言ってたけど…キリが良くなったら敵にまわったりしないでしょうね。」

ぽつりと言い放った自分の言葉にぞっとしながらも、私は適当に森の中を歩いて行った。

しかし、行けども行けども草木ばかりで進んでるかさえわからない。代わりばえのない森を歩いている時にふと気がついた。
仮に私の体が元の20分の1くらいの大きさだとしたら、1時間くらいで抜ける森は…20時間歩かなきゃダメ!?

20時間というのは私の勝手な仮説だが、そう思うと急に疲れを感じて近くの木の近くにへたりこんだ。

せめて森を出たい…そう思っていたら、目の前に煙が浮かんでいることに気がついた。
火事、とも思ったが、どうやら煙の感じからして違うようだ。

煙のもとを探しにその煙を辿って行くと、そこには細い管のようなものを手にした女性が横になっていた。どうやらタバコのようなものらしい。