「それは…出会うのは別に私である必要はないけれど、私と会うことで必要は満たされたということかしら。」

そう言うと、今朝も見せた不敵な笑みを浮かべた。

「あ…えっと…それよりも、ここは一体どこ?!…って言っても加藤さんもわからないか。」

恐らく加藤ちさも私と同じようにこの世界に迷い込んだのだろう。それなら、こんな質問に答えられるわけがない。しかし、ちさの答えは予想どおりでも裏切る答えでもなかった。

「そうね。私は私の答えがあったとしても、あなたの答えと違うなら私はあなたの求める答えはわからない。」

「…そ、それなら加藤さんの答えを知りたいんだけど…。」

「私?私の答えは始めからないわ。ここがどこかなんて疑問に思ったことはないもの。」

「じゃあ加藤さんはここがどこか知ってるの?私、これからどこに行けばいいの?!」

「問題がなければ答えもない。ただ、そういうことよ。あなたはあなたに質問をして、あなたの答えを出せばいい。どこに行くのかわからないのなら、あなたの行きたい場所に行けばいいわ。」