「次、にぃちゃんだよ!」


二人で遊んでいると、彼の弟が呼びに来た。



もぅ少し遊びたいな…

もぅちょっと二人でいたいな…



そんなあたしの心の呟きが聞こえるはずもなく…


「わかった。なつき、行くよ」


そう言ってあたしの手を引いていく彼。


皆の元へ戻ると人が入れ代わっていて、一つだけ空いている席。


迷う事なくそこへ座ると、彼はあたしを呼ぶ。


二人で座れる大きさの椅子にあたしも座る。


一つの椅子に二人で座っていても、隣の彼はゲームに夢中。


時々弟や友達と話ながら、皆で楽しそうにしている…


ちょっと寄ればくっつきそうなくらい近くにいても、あたしだけ違う空間にいるみたい…。


大人数でいるのに、あたし一人で来たみたいに思える。