「なんたって、レイがいるからな!」

無邪気な笑顔に、
また…

「それはありがとう。目的地までは5つの街を通るわ。馬車を使えるのは今だけ。ゆっくり休みましょう。」

余計な感情に流されないように、ね。

ギッシュは、解ったと言って目を伏せた。





馬車が着いたのは、クオーナの南東の街、ルブラ。

「ここでも先月から魔王の手下が現れているらしいわ。銃の使い手、ネオ。」

「まずは銃か。まぁ気楽に行こうぜ。」


ルフェンダは魔王により支配され、魔王の部下により地方の自由は奪われる。

魔王の部下は4人の側近が部隊に分かれて行動している。

銃を使うもの
獣を操るもの
剣を使うもの
槍を使うもの


この4人の側近は、皆強敵で並みの戦士では歯が立たない。

…だからこそ、支配されているんだけれど。

「ネオは側近の中では格下よ。でも頭がキレる。あなたみたいな肉弾派には不向きかしらね。」

「男は腕っ節で勝負だ!…だいたい、そのためにお前が着いてきたんだろう?まあ、足手まといにはなるなよ。守ってやれないかもしれないからな。じゃ、遊んでくるから宿はよろしく。」



反論する前に消えていく黒髪。

まあ、いいけど。