星が瞬きはじめた夜。
辺りは不気味なほどに静まり返っていた。
チャプチャプと、湖の僅かな波が音を立てる。
黒髪はぐっすり寝ていて、起きる気配はない。

久々の一人の時間…

ルブラで早くも側近ネオを倒した私たちの噂は、恐らくルフェンダ中に広まるだろう。
そうなれば益々、こういった静かな時間が持てなくなる。

クオーナ村は、みんな優しい人たちだったが、私があまり交わろうとしないから、周りもあまり近寄ってこなかった。

あの黒髪と
ヌイを除いては。

私は胸元を弄り、ヌイの石を手に取った。



こんな夜くらい、
思い出に浸っても良いかしら?



私はそっと目を閉じ、懐かしい景色を思い出した。