そこからはネオとギッシュの勝負。
私はネオの流れ弾から市民を護るために避難させた。
「ハァハァ…ちきしょう!」
ネオと距離をとって私のそばに着たギッシュが吐き捨てるように言った。
「闇雲に切り裂こうとしてもダメよ。ネオを見なさい。息も切れてないわ。ほとんど動いてないもの。」
「だいたいなぁ!銃には遠距離戦闘向きのボーガンじゃないのか?!何でお前は動かないんだよ!」
噛みつくように私に言う。
「男は腕っ節で勝負なんじゃないのかしら?」
うっとなるギッシュ。
更に畳みかける。
「それに、ネオごとき倒せずにこれからどうするのよ?…ガッカリだわ。」
固まるギッシュ。
こうしてプライドをくすぐれば…
「わ、分かってるよ!冗談に決まってるだろ!お前は手を出すなよな!」
…
単純な奴。
再び剣を構えて、ネオに向かっていく。
けれど、事実なのだ。
側近ネオは格下。
ネオごとき倒せぬようでは、魔王となんて剣を交えることすら不可能。
これは試験でもある。
本当に、ギッシュが…
真の勇者になりうる男か見極めるための。