風が私の服をさらっていく。
顔以外の素肌が一切出ない白いローブ
裾がたなびいて
まるで扇のように
まるで私を隠すように。
「ネオ。」
私はネオを見つめた。
「やあ…?これはこれは、新しい勇者さまかな…?僕のこと知っているんだね…?」
ネオの白髪が月光に輝く。
長い銃身の、ヤツの武器も怪しく光る。
「はっ。新しい勇者さまね。そうだよ!よーく覚えておけよ。俺は…」
―…パーン
ギッシュの自己紹介が終わらぬうちに、乾いた銃声が響き渡る。
「興味ないよ…?」
ギッシュの頬から一筋の血が流れる。
「いい度胸してんじゃねぇか。後で後悔すんなよ?テメェをねじ伏せる男の名を聞かなかったことをな!」
ギッシュは愛剣を引き抜き、空気を切る。
やっぱり肉弾派。
挑発に弱く
すぐに周りが見えなくなる
型も大振りで
小柄な相手には不向き
一度スイッチが入ると
誰にも止められない。