半月程して荷物が届いた。
夏休み明けから通う事になった、学校の教材と制服など。
手回しいいな。
母親達の様子がいつもと違う。
暫くは寮住まいになるから、こんな俺でも少しは淋しく想ってくれているなんて、嬉しいぜ。
ちょっと観照に浸っていると険しい声が飛んできた。
「いいかい翼、よく聞くんだよ!!」
「何?」
「絶対にトップになっておくれ。
その為に今までのお前を捨てるんだよ」
スカウトされただけで、何でそこまでの覚悟をしなきゃならないんだ!?
もっと、気楽にやりてぇんだけど。
なんて思いながら入学案内書に目を移した。
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拝啓
葛上 翼様
向日葵が咲き誇れる季節となりました。
その後お変わりはありませんか?
さて、この度は我が学院に編入されるとのこと、誠にありがとうございます。
私は校長を勤める長谷 銀花(はせ ぎんか)と申します。
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中略
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長くなりましたが、私共皆貴方と会えることを楽しみにしております。
楽しい夏休みに申し訳ありませんが、近日中に我が校に足を運んでくださる様お願い致します。
敬具
聖百合愛学院校長 長谷 銀花
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俺の目が可笑しくなったのだろうか?
それとも何かの間違いなのか?
間違いであって欲しい想いに、もう一度署名の欄を見る。
でも、確かに『聖百合愛学院』(セイ.ユリア)と書いてある。
ご丁寧に、『葛上 翼様』とまで書いてある。
う、嘘だぁぁぁぁぁ!!