それでも帰る場所はそこしかなかくて、彼女を抱えたまま古びたアパートの部屋を開けた。



「すげぇ、熱」



彼女の呼吸は荒く、額に手を当てると尋常じゃない熱を感じた。




とりあえず彼女の服を全て着替えさせて、薄っぺらい布団に寝かせた。




冷房の無い部屋、外は大雨のために窓は開けられない。



蒸し暑い部屋、病人を看病するには不向きだった。