「私ね…うさぎさん大好き!」

無邪気に笑う少女はさらに青年に近付いた。


「そっか。じゃあ俺のことも好き?」


すると少女は不思議そうに首を傾げた。


「私うさぎさんだけが好きだよ。」


そう、少女はその青年が好きだと言ったのだ。


青年は優しく嬉しそうに微笑んだ。


「俺も好きだよ。」


思わず少女の唇に青年は自らの唇を重ねたのだった。


それは二人にとって1度目の出逢いであり、初恋だった。



「ゆきー行くわよ。」



母親の声と共に唇は離れた。


「また会える?」


少女は悲しそうに聞いた。