10分後…



「お待たせしました。」



そう言い、彼女はビールと枝豆、そして唐揚げをテーブルに置いた。



「あっ、からあ…」



僕の声を遮り彼女は自分の人差し指を自分の口元に持っていき、シーっと聞こえるか聞こえないぐらいの声を発し、柔らかい笑顔を見せた。



そう、僕だけにだ。



小さな声でありがとうと言い、予め用意しておいたメモ用紙を彼女に渡した。