豆大福――… そう、僕たちは中学生の頃、野球の練習を終えた後に学校の近くにある餅屋の豆大福を食べるのが日課になっていた。 そこの豆大福は今まで食べた中で一番美味しいんだ。 しかし、現在住んでいる僕たちのアパートから中学校までは遠く、電車でも結構な交通費がかかってしまう。 だから、頑張って貯めて一緒に食べに行こうと決めていたのに和也は今、その資金を僕に差し出している。