あたしは、そんなお母さんを見て家を飛び出した。

お父さんとお兄ちゃんが車に乗ろうとしていた。
「お父さん!」
あたしはそうさけんだ。

驚いて振り向いたお父さんに
「あたしのお父さんでありがと」
そう言った。

お父さんは顔を手で覆いながら、手を挙げて車に乗った。


こんな一言だったけど、あたしにとっては昨日の謝罪と今までの感謝の気持ちを込めた言葉だった。

これを言わないと、一生後悔し続けるとあたしは思ったから・・・


家に入ってあたしはお母さんのてっを握ってこういった。
「あたしがそばにいるから・・・」
健に言ってもらった言葉だ。