そこには、スーツを着たお父さんがいた。

病室で、怒りをぶつけたまま顔を見てなかった。

「彩、おはよう・・・」

「・・・」

気まずそうにそう言うお父さんに何も言わず、いすに座った。

「あたし、ここに残るから。お母さんのところにいるから」

「彩・・・」
お母さんは驚いたようにこっちを見た。

「お金のことはお母さんに心配かけるかもしれないけど、あたしはお母さんのそばにいたい・・・」
その言葉を聞いて、
「ありがとう・・・」
そう言ってお母さんは、涙を流した