「えっ・・・」
健はとまどったようだったけど、話し始めた。

「彩が一緒にいたいって思う方を選んだらいいと思う。親だって、子供がどっちを選んでも怒ったりしないと思う。だって、大切な子供なんだからさぁ。お金のこととか将来を心配する前に、自分の気持ちに素直に選んだ方が、これからずっと先笑っていられるだろ?」

健に言葉は、今のあたしの中にぬくもりを感じさせてくれるような言葉だった。

「それにおまえがここからいなくなるのは、俺いやだから・・・」

そう言って健は自分の部屋の窓を閉めた。

照れながらもそう言ってくれた言葉。

健の優しさが身にしみた。


次の日、土曜日で学校が休みなあたしはいつもより遅めにおきてリビングに入った。