あたしはそのままお兄ちゃんの部屋の入った。健はそのままリビングに残っていた。

「みんな心配したんだぞ」
そう言うお兄ちゃんは、大きいバックに服を詰めていた。

「お兄ちゃんは、お父さんの方について行くの?・・・」

「あぁ、お金のこともあるしな・・・」

高校生のお兄ちゃんは、しっかり考えていた。

「彩はどうするんだ?」

「決めてない。決められないよ・・・」

「でもな。もう一緒に住むことはできないんだ・・・」
お兄ちゃんの言葉が身にしみた。


浮気して家を出ていくお父さん。

それについてくお兄ちゃん。

大きな悲しみに包まれたお母さん。

もうどうすることもできないと感じた。