健とあたしは家の中に入った。

リビングには、健のお母さんと目を真っ赤に腫らしたお母さんがいた。お父さんの姿はなかった。

「彩・・・心配したのよ・・・」
そう言ってお母さんがあたしのことを抱きしめた。

「ゴメン・・・」
そう言ってあたしはソファーに座った。

「彩、お父さんはもう出ていったから・・・お母さんには健くんのお母さんがついててくれるから彩はもう休みなさい・・・」

「うん・・・」

「それと、お母さんとお父さんどっちについて行くのか決めておきなさい・・・」

その言葉は、もう一緒に住むことはないと言うのを表していた。