「・・・」

「これで何回目だよ?どうしたんだよ?」

「手が滑っただけだよ・・・」

「帰れ・・・」

「えっ?」

「そんなんで、マネージャーできるわけないだろ。だから今日はもう帰れ・・・」
そう言う健の顔は、今までに見たことのない悲しそうな顔だった。

「・・・分かったよ!帰れば良いんでしょ!?」
そう言って、あたしは健の背を向けて走り出した。

あたしの目からは涙がこぼれた。


角を曲がったところで誰かにぶつかった。