「おまえはさぁ、最悪の場合どうすんだ?」

「えっ?」
あたしはお兄ちゃんの言葉に耳を疑った。

お兄ちゃんは、中学生のあたしには『離婚』という言葉を言わなかった。

でも、『最悪の場合』というのがそう言うことを示していたのかぐらい分かった。

「俺は、父さんの方について行く・・・」

「やだよそんなの!バラバラになりたくないよ!」

「俺だってそうだよ!けど、うちが今どんな状況かぐらい分かるだろ?」

「・・・」
その言葉に言うことがなかった。


ドラマや漫画でよく聞く『離婚』。

もしやうちがそんなことになるなんて思ってもなかった。