お父さんが朝帰りした日から、あたしの家庭は崩れていった・・・

みんなで笑いながら囲んでいた食卓も、無言。

お父さんとお母さんは、あまり話さなくなった。

夜には、お父さんとお母さんが言い合いをしているのを何回も聞いた。

あたしとお兄ちゃんは、知らないふりをして過ごしていた。

けど、こんなのもう耐えられなかった。

無言の夕食が終わってからあたしはお兄ちゃんの部屋に行った。

お兄ちゃんはあたしが来るのが分かってたかのようにふるまった。

「あたしたち、どうなるのかな・・・」

「おまえは知ってるのか?父さんのこと・・・」

「うん・・・駅でほかの女に人と手をつないでるところ見た・・・」

「俺も・・・」

そして、沈黙が流れる。