ブラ……。


「ブラコンて何?」

「は?」


睨みを利かした思いっきり嫌そうな顔で、飛鳥はそう言った。

ブラコンて何ですか。それ何なんですか。英語苦手なんだってば…


相変わらず頭に?を浮かべる私に、飛鳥は大きな大きな溜息をついた。

そ、そんなに呆れなくてもいいじゃないか……!



「ブラザーコンプレックス。お兄ちゃん大好きー♪って事だよ」


………す?


お兄ちゃん大好きー♪


つまり、私が…南央を?

それって、アレか。


「き、禁断の兄妹愛!?」

「ちげーよバカ。マンガの読み過ぎ」


飛鳥は笑いながら言い、こつんと私の頭をつついた。ぬ、言っとくけどそこまでマンガは読まない。ゲームであったんだ。兄が妹を好きになっちゃうゲームが。

確か題名は『禁断のらぶげぇむ☆〜お兄ちゃんだぁい好き!〜』だった気がする。


そのゲームを攻略したのは南央だった。

私より先に南央がクリアしたのはそのゲームが初めてだったからよく覚えてる。


普段バカなくせに一生懸命に攻略してるのがすごく新鮮だった。

美青年が、そんなゲームを真剣にやってるなんて、皆考えもしないだろうな。



―――って。

私、何こんなに南央の事ばっかり。

これが、ブラザーコンプレックス?お兄ちゃん大好きー、って事か?


や、やばいっす。

飛鳥さん私どーしたら……!


「早南、気持ち悪いからやめて」

「え」

「白目むいてた」


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