ライルは咄嗟に心臓と頭だけは庇い、体を左に向けた。



…が、体に銃弾が食い込む感覚はない。



「…!?」



ライルは瞳を開き、驚愕した。



「マオ、約束したばかりで、殺されたらダメでしょ?」



そう、ライルが撃たれるはずだった銃弾は、リリーに当たっていたのだ。



あんなに離れた場所にいたのに、俺の危険を察知して庇いに来たというのか…!?



「オーロラも、地平線も、蜃気楼も…君が一緒じゃなきゃ意味ないでしょ?」



意識が朦朧としてるリリーを抱き抱え、ライルは膝を着いた。