ぼくは、まだ暗い道を走った。

さっきまでの涙は、風ですっかり乾いちゃった。



シロはきっと海に居る・・・。


思い出したんだ。
だってあの時、

「海が呼んでる」

って、シロは小さな声でぼくにそう言ったんだ。
だから、シロはきっと海に居る。



ぼくが今居るところから、海までは遠い。

ぼくは、海の近くまで行きそうなトラックの荷台に飛び乗ったんだ。



ぼくが走ってる時より、周りの景色が早く変わってく・・・。


しばらく走ったところで、海が見える道に出た。

「うわぁ、すごいな。初めて見た・・・」




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