その後、絵莉ちゃんは、なかなか話を切り出さなかった。



そして、そんな沈黙が少し続いた後、



やっと、ゆっくりと口を開いた絵莉ちゃん。



『あたし……ずっとエイトに片想いしてるみたいなんですよね…なんて言うか、一緒にいても、エイトはあたしの事なんて全然見てくれてない気がして……』



『片想い??付き合ってるんでしょ??』



絵莉ちゃんは、少しだけ苦笑いのような微笑みを浮かべ、



『はい……でもあたし、いつもとにかく必死なんです。余裕がないんです……。あたしは毎日でも会いたいのに、最近なんかほとんど会ってくれないし…』



と、小さな声でつぶやく口調はなんだかとても悲しげだった。



あたしが知っている限り、



エイトがこんなに長く付き合った女の子は絵莉ちゃんだけなはず。



なのに、なんでこんなにも目の前の絵莉ちゃんは、



寂しそうなんだろうって疑問が浮かぶ。



『高校生になって、お互い忙しいからでしょ?大丈夫だよ』



あたしの言葉に絵莉ちゃんは大きく首を振って否定した。