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「……ただいま」
「おかえりーっ」
帰ってきて早々、櫂兄の笑顔。
「海、楽しかった?」
「……まあ、それなりに」
楽しくなかった訳じゃないけど。
まあ家にいるよりましだったな。
「楽しめたならそれでよしっ」
櫂兄はとびきりの笑顔を見せた。
──・・・『…涙、………好き、だよ』
愁と櫂兄が重なる。
「涙、花火、明後日な!!忘れんなよーっ」
「はいはい…」
櫂兄は本当に高校二年生かと思うほど子ども。
花火をそんなに楽しみにしてるとは……
まあ、悪い気はしないけど。
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