──キィ


愁が帰ってきたのか、暗い部屋に光が差し込んだ。




「………涙?もしかして寝ちゃった?」


寝ているのを気遣うように、静かに囁いた。
本当はまだ寝れていないのに、自分は目を閉じていた。





そう、寝たフリ。


ギシとベッドが音を立てる。




その音に少し驚いて反応すれば、頭に何かが触れた。


きっと、それは愁の手。




寝たフリをしていることを知らないのか、愁は頭を優しく撫でた。


そして、耳を疑う。










「…涙、………好き、だよ」








──・・・今、なんて?