久しぶりの感触が、戻ってきた。 やっぱり櫂兄は優しかった。 やっぱり心地よかった。 やっぱり、櫂兄が好き。 「……声掛けてくれないと思った」 「…なんで?」 「………もう忘れてると思ったぁ…」 櫂兄の胸に顔をうずめる。 「……忘れてないよ」 そう言った櫂兄の背中が、少し震えてた。