力も弱くなっていた。
ケータイを開くのも一苦労で。


これが自分だと、思いたくない。





「涙、プレゼント出来たよ」


早妃から連絡が来たのは少し前。
早妃が来るのを待ってると、静かにドアが開く。




「お待たせー」


そう言いながら入ってきたのは、早妃と和真だった。




「よお涙、おひさー」


「……おひさ」



明るい和真の性格が、自分に笑顔を与えてくれる。






「はいっ、プレゼント」


早妃が鞄から出したのは黒い袋。


「……ありがと」




ゆっくり受け取って、早妃の説明を受ける。


「手袋、和真のオススメー」




微笑みながら、早妃はどこか嬉しそう。
幸せそうな二人を見て、自分にも笑みが移る。


「…じゃ、涙、頑張ってね!!」


「涙ならイケる!!」




──・・・は?


意味深な言葉を並べた二人に、軽く手を振りながら、二人は出て行った。