「…………うん」


声が震えないように気をつけて頷いた。




無神経すぎた自分にイラだった。
愁の言葉を、
あのときちゃんと、聞けばよかったのに。







「……涙は?」


愁の声以外なにも聞こえない空間で、そんな問い掛けが来る。




「……涙は、俺のこと、やっぱり友達?」


「………愁は、」






『俺のポジションは変わんない』


愁のポジション?
そんなの決まってる。




自分の少し前を歩く、


「……大事な友達だよ」






自分より少し前で引っ張ってくれる、
友達、だから。