「……涙ちゃん、体調、どうかな?」
カーテン越しに言われ、それが阿藤先生だと気付く。
「……ダルい」
答えるのにもやっと。
ダルくて、気持ち悪い。
薬を飲んだからだろう。
するとカーテンがゆっくり開く。
「…お母さん、心配してたよ」
「…………」
──・・・お母さんなんか、どうでもよかった。
「涙ちゃん、ダルい以外に、気付いたことがあったら言ってね」
自分がずっと黙ってたせいか、阿藤先生はそれだけを言ってカーテンを割って出て行った。
「…………」
頭痛がすごくて目を閉じた。
──・・・わかってるんだ。
既にぜんぶ。
いっそのこと、言ってくれたら楽なのに。