「あのとき、すっごい嬉しかった」


──･･･櫂兄が微笑んで。
いつの間にか、櫂兄に引き込まれていく自分がいて。




「涙のありがとうが、世界一嬉しいよ」


櫂兄の前なら、自分が敷浪涙だって、ちゃんと主張出来て。




「一番、感情こもってるし」


だけど、『らしくない』とか思ったり。




「一番、聞きたかったから」


だけどその『らしくない』が、本当の自分なんだって思ったりもして。




「…もっといろんな涙がみたい」





本当、
最近自分、『らしくない』。




そういうこと言われても、
頷いてんだもん。