「どうしますって。っておまえが当事者だろぉ~~なんとかコメントしないと
 事態の収拾は無理だって。」

「わかりましたよ。出て行けばいいんでしょ。」

「何話すの?」

「世間話」

「は・・・・はぁ???」

呆然としている スタッフを尻目に 旬は 取材記者がたむろす 事務所の前に

出て行った。


旬が出て行くと・・・・・

案の定 カメラのフラッシュが派手にたかれ ばちゃばちゃと耳障りなほどのシャッター音が響く・・・

「大出さん この 写真の中に 彼女はいるんですよね。」

「はい。皆さん 切り抜くのがお上手と見えて 今朝の朝刊のどの紙面にも
 彼女はしっかり 写っていました。」

「でも、これだけ 人数が多いと絞り込めませんね。そうじゃなくとも今は
 個人情報が厳しいので あたれないんですよ。 新聞に写ったんでは誰だかまで
 わからないんだし・・・この人です。くらいまでは・・・・・」

「駄目ですよ。これが 精一杯です。」

「こんな方法だと 逆に彼女に会いに行きにくくなるんじゃないですか?」

「あはは・・・本当だ。これで 破局したら パパラッチのせいですね。」

「ですから、これ以上 報道が過熱しないうちに・・・」

「させないでくださいよ。それじゃ・・・現場に行く時間なんで。」

そう言いながら 旬が自動車に乗り込んだ。