「あ・・・・あの・・・大出さん 一人しかいないんじゃ・・・・」

「あ・・・あはは マネージャー、だから 余計な心配しなくて大丈夫って
 いったでしょ?」

あいつが そう言ったとたん 数字が2から1に変わった。

周囲の目が 当事者を探している。

【ばれてなるものか・・・・】

そう思ったとたん私も思わず 当事者探しに加わるような顔をした。

そんな私を目で追いながら 旬が言った。

「ごめんなさい。 彼女は一般人なんで 皆さんの中に溶け込んでいるという事で
 御報告は ここまで・・・という事にしていただけませんか?」

「なるほど・・みなさんの中に 大出旬さんが プロポーズした彼女がいるわけですね
 で・・・お返事はいただけたんですか?」

あいつの 想定外の報告に 司会者は苦笑しながらたずね返した。


「もらいました。 でも、結婚は今すぐはしません。 沢山 彼女と恋愛して
 からにしたいと思っています。」

「結婚してもできるんじゃないですか?」

「いいえ・・・僕は 皆さんもご存知のような生い立ちで育ちましたので
 人をどう愛していいのか・・・よくわかりません・・・・今日に至るまでにも
 わずかな時間なのに 彼女を泣かせたり 悩ませたり・・・・相当な劣等生なんで
 ・・そんな奴相手に 彼女をいきなり縛り付けてもいけないですからね。」

「泣かせた?悩ませた?いやぁ~~ 大出さんほど 素敵で もてるのでは
 お相手にしてみれば 逆にしっかり 結婚して 手元に置いておきたいんじゃないです か?」

ずっと 黙って聞いていた 女性の司会者が突っ込んだ。

「えっ???そうなのかな? 後で本人にその辺は 確認しておきますよ。」

そう言って 微笑んだあいつの顔がとても幸せそうに見えた。