部屋の前にたち チャイムを鳴らす・・・・

応答がない。

「しでかしたあとかぁ~?」

つぶやきながら 手馴れた感じでマスターが玄関のドアの鍵を開けた。

部屋の中は真っ暗で 静まり返っていた。

電気をつけながら マスターが旬の名前を呼びながら 部屋に上がっていく。

フロアの床の上に点々と血痕が風呂場にまで続いている。

「馬鹿野郎!!」

マスターが顔色を変えて 浴室に飛び込んだ。真っ赤な浴室・・・・

切った手首を浴槽につけて 出しっぱなしにしたシャワーの下にあいつがうずくまるよう

にびしょ濡れになっていた。しかも、睡眠薬なのか・・・薬のビンが割れて 溶けかけた

錠剤が散らばっていた。

マスターが あいつの手首を浴槽から出すと あわてて そばにあったタオルで止血した。


ほっぺを数回 叩くと あいつは うっすら目をあけて マスターを見て力なく微笑んだ


そしてつぶやいた・・・・

「あ・・・また マスターの勝ちだね・・・・・」

「ああ。また 俺の勝ちだ!!誤解解く前におまえに死なれたら
 たまらないからな。」

「いいよ・・・・もう・・・・」

「駄目だ。」

マスターは あいつを寝室