「分かってるよね?キミってバカだから言わないと分からない?」



「わ分かるよ!バカじゃないし」



「そう?なら早く口説いてね?それともお手本みせようか?」



そう言った瞬間あたしの腕を引っ張った。そして、指と指絡め、あたしを見つめる。



「可愛いね?お嬢さんは」


「っ……」



耳元で言われあたしは真っ赤になった。ずっと瞳を見つめられ、逸らせない。


まるで金縛りに合ったように、全身が動かない。早く逸らしたいと思っても、千歳零爾の色気ある唇。
それから瞳に心を奪われ動かない。



ドキドキが千歳零爾に聞こえないかすごく不安だ。