「良い度胸ですね?キミは」



千歳零爾は、叩かれた頬を擦りながら、どんどん近寄ってくる。



「来ないで!」



ドクドクドク



心臓を押さえないと、飛び出してしまいそうになる。それだけ、千歳零爾はあたしの目の前に…



「クスクス真っ赤ですね?頬」



スーッとあたしの頬を撫でる。くすぐったくて、恥ずかしくて逸らそうとするがまた向かされる。



「っ……」



フーッと耳に息を吹き掛けられますます赤くなった頬を、千歳零爾に見られ早くここから去りたくなった。