「……って、俺口に出してた?」

「ああ。バリバリ。……つーかお前、まだ俺の名前覚えてねえのかよ。三年間同じクラスだぜ?」

「あれ、そうだっけ?」

「そうだよ!!」

……ふうむ。

さてはお前、影が薄……。

「ふざっけんな!」

すかさず山田、くわっと叫ぶ。反射神経いいな、おい。

「おお。今のは口に出してなかったぞ。山田はレベルが上がった! 読心術を習得した!」

「おい、馬鹿にしてんのか? 日下だっつってんだろ! お前の考えてることなんざ、手に取るように分かるわ!」

うんうん。花田くんはきっとストレスでハゲたりする人種だな。お気の毒に。

おや、どうした花田くん。震えてるぞ? 寒いのかい? そりゃ重症だ。近寄らないでくれ。

すると、花田くん。内臓が飛び出してきそうなほど、大きな溜息をついた。