高校2年生。
夏を目前にした6月。
蒸し暑い毎日が続いていた。
朝起きて準備をする。
ギリギリに家を出て、ギリギリに教室に入る。
授業を受けて、少し友達と話して
時々ブラブラ町を歩いてから
家に帰る。
そんな平凡な日々が続いていた。
橋本梓
それが俺の名前だ。
容姿ははっきり言っていい。運動も勉強もそれなりに出来る。
告白もされるし、彼女がいたこともある。
でも、長く続いたことはない。
それは、俺の性格が極端に冷めているからだと思う。
そんなに好きでもない相手と付き合って
別れて。
また付き合って。
その繰り返しで、俺はだんだん冷めた人間になっていった。
そんな俺にはもう本気の恋なんて出来ないと思っていた。