けれどなんでだろう。
俺は、柳を撮りたいとは、思わないんだ。



「……ねぇ、秋葉先輩。とーこ先生の噂って知ってる?」

「え、」

「なんだ、柳と片瀬か。2人とももう下校時間になるぞ。早く帰れよ」


がら、とドアを開けて、長身を覗かせたのは、朋兄だった。
その台詞に時計を見れば、意外なほど時間が経っていて。