米倉は犬みたいにくりっとした瞳をさらに大きくして首をかしげた。 こういう仕草とふわふわした茶色い校則違反の髪の毛が相まってかわいいと女子には人気らしい。 「お前のその狙ってる仕草が腹立つわ」 「別に狙ってねーよ!いやちょっとはもてたらいいなとは思ってるけど!」 だん!と机を盛大に叩いた米倉にクラス中の視線が集中する。 馬鹿だ。 「……こら、米倉くん。今は授業中よ」