「ううん。あたしの方が、何倍もお世話になっちゃった気がしてるよ。
よく片瀬くんにもお手伝いしてもらっちゃったしなぁ」

「俺が楽しんでやってたから、全然良いんだ、それは。
……先生、俺ちゃんと大学受けるから。
まだはっきりとは見つかってないけど、やりたいこと探すよ」

「片瀬くんなら、きっとやりたいことさえ分かったら、どこでも受かるよ。あたしが保障する」


片瀬くんがいやにくすぐったそうに笑うから、なんだかあたしも嬉しくなって一緒に笑った。

こんな時間は魔法みたいで、でも魔法みたいだから、もうすぐ終る。


「……片瀬くん」